賢者の税務・会計術 vol.008

ベトナムは「日数」と「賃貸契約」が重要

こんにちは。AGSの貝沼です。非居住者として、ベトナムを訪れている法的代表者や出張者の中には、ご自分が気づかぬうちに居住者の要件を満たしてしまう方がいます。

ベトナムでの居住者要件を満たした場合、国内で生じた所得に加え、国外で生じる所得も申告する義務が生じるため、注意が必要です。

所得税法通達111/2013/TT―BTC第1条にて、居住者の要件が下記の通り定められています。いずれかに該当する場合、居住者とみなされます。

①暦年もしくは、最初の入国日から連続して12ヶ月の間、183日以上べトナムに滞在している場合

例えば2018年1月1日から2018年12月31日の間に滞在日数が183日以上ある方や、2018年10月1日に入国し、2019年9月30日までに滞在日数が183日以上あると居住者に該当します。

②課税期間内で、183日以上の賃貸契約を有している場合

契約者が個人、会社を問わないため、会社で借り上げたマンションに居住している方も該当します。

①と②のいずれかに該当した方は、日本とベトナム双方の居住要件を満たしている可能性があります。

日越双方の居住者は居住地を決定できる

日越租税条約第4条の2(以下、租税条約)では、双方の居住者(以下、双方居住者)に対する取り扱いを恒久的住居の所在地や経済的結び付き、常用の住居、国籍等により、個人の居住地を定めることとされています。

ベトナムでの居住要件を満たし、日越双方の居住者になった場合は租税条約上、居住地をいずれかに決定することができますが、双方で居住者として納税しているケースもあります。

非居住者としてベトナムに長期出張されている方や日越双方の居住者の方は一度、専門家へご相談してみてはいかがでしょうか。

貝沼 義斗
AGSハノイ事務所勤務。官公庁での税務業務、青年海外協力隊を経て、2018年より現職。ベトナム語を猛特訓中。
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