【ベトナム法律】写ってる! ~肖像権とパブリシティ権~
スマホで撮影した写真をSNSにアップするとき、知らない人が写っていたらどうなるのでしょうか。
「肖像権」と「パブリシティ権」
ベトナムでは、自分の顔や外見などのイメージは、個人の尊厳に基づく人格権としての「肖像権」と、イメージに商業的価値がある有名人の財産権としての「パブリシティ権」により保護されています。
「肖像権」の保護
「肖像権」は全ての個人に認められ、イメージの使用には本人の同意が必要です。ただし、公益目的の使用、または会議・スポーツ試合・芸術公演などの公共活動で撮影されたイメージの使用は、本人の名誉・人格・威信を損なわない限り、本人の同意は不要です。
「パブリシティ権」の保護
スポーツ選手や芸能人など、 「パブリシティ権」が認められる有名人のイメージを使用する場合、本人の同意に加え、謝礼の支払いが義務付けられています。
本人の同意の形式
本人の「同意」の形式について、紙の同意書に本人が署名する以外にも、eメール・SNS上のメッセージ、 ウェブサイト上の同意欄へのクリックなども、本人の意思が明確なら有効と考えられています。
裁判所の判決例
2020年のある民事判決では、原告がSNSにアップした自身の顔写真を、無断でSNSに掲載した被告に対し、顔写真の削除と慰謝料298万VNDの支払いを命じています。
小幡 葉子Obata Yoko
日本国及びベトナム外国弁護士。JICAベトナム法整備支援長期専門家などを経て、2013年4月より現職。
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