労務のヘルプデスクや、就業規則の作成・改定のお手伝いをする中で、しばしばご質問をいただくのが、「在職者に対する残有給に対しての対応」です。残った有給休暇は、買い取るのか持ち越すのか、または消滅するのか? 今回は、その対応方法をおさらいします。

退職者の残有給は買い取りが義務

年次有給休暇については労働法113条に記載があります。退職者の未消化有給についてはシンプルで、「買い取り」が義務付けられています。

また、有給休暇の買い取り金額は労働者が退職・失職した月の直前の月時点での労働契約に従った賃金(政令145/2020/NDCP号)と定められています。

在職者に対する残有給は
どうすればよいのか?

在籍時については色々な情報から誤解を生みやすいのですが、結論からお伝えしますと、企業によって決めることが可能です。

繰り越しにしている企業が多いのが現状ですが、買い取りまたは消滅させることもできます。繰り越しについても、繰り越さなければならない年数といった決まりはないため、企業の判断で決められます。

参考までに、直近で日系企業100社に回答いただいたアンケートの結果をお知らせしておきましょう。持ち越し(翌年まで)が最多で35%を占めました。次いで消滅が21%、買い取りが19%、持ち越し(翌々年)が17%という結果となっています。

中野 祐一
Nakano Yuichi
ジャパンデスクシニアマネージャー。日本で法人営業を経て香港に駐在。タイ勤務を経てベトナムに2015年に赴任。買収した地場企業に日本人1人で入り日系企業向けチームの立ち上げを行った後、ジャパンデスクの責任者として勤務。2020年から労務コンサルティングビジネスの責任者を兼務。

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