学校に支払う場合と
従業員に支払う場合

駐在員に帯同する子女が、赴任先で現地の学校に通う場合、会社の規程に基づき学費手当が支給されるケースがよくあるかと思います。幼稚園や学校の入学金や授業料、通学バス代などが会社負担となる場合における個人所得税上の取り扱いについて解説いたします。

個人所得税法の通達111号2項g.7によると、駐在員の子女が通う学校の授業料は、会社が負担する旨が労働契約書等により適切に記載され、会社が学校に対し直接支払いを行う場合には、個人所得税上の課税所得とならない旨が定められています。またこの場合の「授業料」は、幼稚園から高校までが対象となります。

会社が学校に直接支払うことが条件となっていますので、会社が従業員に対して手当として実額を支給する場合は、個人所得税の課税対象となることに留意が必要です。

学校への支払項目と
個人所得税の課税範囲

会社から学校へ直接支払われる金額のうち、授業料は個人所得税が非課税となるものの、入学金やスクールバス料金などの交通費、給食費などについては個人所得税の課税対象となります。

会社によっては学費を手当として従業員に支払っているケースもあるかと思いますので、節税及び正しい納税のため、取り扱いを見直してはいかがでしょうか。

西川 貴陽 Nishikawa Takaaki
公認会計士(日本・米国)、日系企業担当インドシナ副統括ディレクター。EY新日本有限責任監査法人にて、監査業務や株式公開支援業務、財務デューデリジェンス業務に従事後、2016年よりEYベトナムに赴任。
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