【ベトナム法律Q&A】
Q：日本の親会社から融資を受け、 2年後に返済予定です。注意点は何でしょうか？

A：借入金額に上限があり、SBVへの登録も必要です

中長期の親子ローンは
IRCの投資総額が上限

ベトナムでは、外資企業が外国の親会社から受ける融資（親子ローン）は、短期（1年以内）、中期（１～5年以内）、長期（5年～）の3種類に分類されていて、ご相談の場合は中期借入に該当します。

中長期親子ローンの場合、借り入れられる金額に制限があり、「資本金の額＋借入金の総額」が投資登録証明書（IRC）に記載されている投資総額以下でなければなりません。この合計額が投資総額を超える場合には、融資契約をする前にIRCの投資総額を増額する手続きが必要です。

ベトナム国家銀行への登録と
毎月5日までの報告が必須

中長期親子ローンの場合、融資契約が成立した日から30日以内、かつ借入金の引き出し前に、ベトナム国家銀行（SBV）への登録が必要です。SBVへの登録手続が完了するまで借入金を利用できないので、融資スケジュールを考える上で注意が必要です。親会社からの送金はどの通貨でも利用可能ですが、子会社の資本金口座（DICA）に送金する必要があります。

さらに、親子ローン実行後は毎月5日までにSBVへ借入状況の報告もしなければなりません。従来は四半期ごととされていましたが、2022年11月15日より毎月に改正されました。この報告義務は、中長期だけでなく短期借入にも適用されます。

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