イベントオヤジの独り言 Vol.09

資格や資料より、経験がものを言う

20年以上も前でしょうか、「イベント業務管理者」というイベントの資格制度が始まり、関係者も「資格が必要? なんで?」と、ベテランイベントプレイヤー達は、はてなマークを浮かべながら試験会場に向かったものです。

そう言いつつも、私もその第1回目の合格者の一人ですが、結局、何の役にも立っていません。認定カードも持っていますが、「そんなのいつ誰に見せるの? 認定証もあるけど恥ずかしくて貼れないよ」なんて言ったことを思い出します。

何度かこの『イベントオヤジの独り言』でも語ったように、イベントは様々なコンテンツや各種業務を管理するカテゴリーが多く、それらがすべて、特殊な時間軸で動くので、資料など読んでも勉強になりません。

確かにイベントの現場に、運営マニュアルは必要ですが、マニュアルというものは制作者がその現場の情報を集め、とりまとめたチェックリストのようなもので、現場ではほぼ見ません。

実際にはマニュアルを見るような事はあまりないのです。

場数をこなし、経験値を上げること

日本の現場で、マニュアルや台本をお尻のポケットに差しているアンちゃんを見る事がありますが、あれはインチキくさいですね。

ウエストバッグを肩からかけ、ディレクター気取りもいますが、あれもどうなんでしょう。イベントはどれだけ場数をこなしているか、経験値がすべてです。

現場では変更やトラブルがいくらでもあります。様々なリスクや事態を想定し、事前にすべての不安要素を潰しておくためには、現場の数と経験が大事で、重要なのはマニュアル(資料)を作ることではないのです。

でも、この国のスタッフにはつくづく思います。もうちょっと詳細のマニュアルを作って検証してよ。あなたたちの作ったその資料、マニュアルじゃないよ。計画書のままですよ。お願いしまーす。

 

平櫛 開三 Kaizo Hiragushi
1987年日本で株式会社AABを立ち上げ後、2006年にAABベトナムを設立。
日系企業や公的機関等の様々なイベントに携わる。

AAB VIETNAM Co., Ltd
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