出張や一時帰国でお馴染の航空会社。ただ、単なる移動手段と考えて、そのサービスや特典に無頓着なビジネスマンも意外に多い。ベトナムに住むからこそ利用機会は増えるはず。ならば、もうちょっとエアラインのことを知ってはいかが? 
そう、次の出張までに。

 

日本着便から国内線への乗継ぎ、エコノミークラスの日時変更可、ラウンジの国際展開など、幅広く新サービスを提供する日本航空(JAL)。2019年からは日本国内線向けの新型機「エアバスA350」の導入を開始する。

ファミリー、マイル…多彩なサービス

ベトナムと日本の間を1日3便運航しているJAL。ホーチミン市―成田線、ホーチミン市―羽田線、ハノイ―成田線だ。機材はどれもボーイング787で、ハノイ―成田線ではシートに「JAL SKY SUITE」が用いられ、ビジネスクラスはフルフラットシートが使われている。

弊誌読者の海外赴任者とその家族をターゲットにしたサービスが「JALファミリーサービス」だ。国際線の出発空港でのチェックインから搭乗、経由地や乗継ぎ地でも地上係員が案内してくれる。機内では客室乗務員が対応し、子ども向けのベビーベッド、紙おむつ、機内食などを用意している。

スワンナプーム空港のサクララウンジ
JALの客室乗務員

「ご赴任からご帰任までをトータルでサポートするサービスです。お1人2個までの手荷物追加が無料になったり、専用ラウンジが使えるなど様々な特典があります」

JALファミリーサービスに入会するとボーナスマイルとして5000マイルが貯まるが、移動距離によって貯まるマイルは、空の移動が多い海外ビジネスマンならではのメリット。ただ、クーポンや商品、電子マネーなどと連携して使い勝手の良い日本と異なり、貯めたマイルが使える場はベトナムにほぼなく、特典航空券に変えるなどが現実的だ。

「そのため、ステイタスを上げることを考えてみてはいかがでしょうか。JALグローバルクラブに入会していただければ特典が広がりますし、JALが加盟している『ワンワールド加盟航空会社』でも利用可能です」

JALグローバルクラブでは予約、チェックイン、手荷物、キャンセル待ち、搭乗などで多彩なメリットが用意され、空港にあるJALのラウンジも利用できる。1年で50回の国際線搭乗か、JALの「FLY ON ポイント」を年間5万貯めるなど入会のハードルは高いものの、このステイタスを望むビジネスマンは多い。

また、入会するとワンワールドの「サファイア」の会員になり、ワンワールド加盟航空会社、搭乗クラスに関わらず、JALグローバルクラブと同等のサービスが受けられる。チェックイン、手荷物、空席待ちなどの他に各国の空港ラウンジが利用できるなどで、ビジネスマンの強い味方になるはずだ。

「ワンワールドの加盟航空会社で日本人ビジネスマンのご利用が多いのは、欧米系ではアメリカン航空とブリティッシュエアウェイズ、アジア系はマレーシア航空とキャセイ航空だと思います」

割安な日本国内線 エコノミーも日時変更可

JALは昨年10月にベトナム航空とのコードシェアを解消したため、日本の地方都市への直行便がなくなった。その補完として、成田や羽田に到着後そのまま地方都市へ乗り継げるようにスケジュールを調整し、料金のサービスも始めた。ベトナム―日本間の国際線と、成田・羽田から地方都市への国内線を一緒に予約・購入すると、国内線の片道料金が一律80USDとなるのだ。特に大阪、福岡、名古屋では運賃が実質無料(空港使用料は別途)となっている。

「乗継ぎは当日でなくても構いません。例えば一度ご実家に帰省し、別の日に家族で大阪や福岡に行くようなプランにもご利用できます。さらに8月末までは、国内線機内のWi-Fi接続無料キャンペーン中なので、夏休みなどご家族でのご利用もいかがでしょうか」

ビジネスクラスの「JAL SKY SUITE」

また、今年4月からは低価格帯のエコノミークラスでも日時を変更可能とした。エコノミーでは予約クラスにより料金や条件が異なり、予約の変更ができない場合があった。JALの場合は予約クラスがY、B、H、M、L、Vの順で値段が高く、M、L、Vまでは日時の変更不可だったが、全てで可能となったのだ。加えて、以前は往路と復路で同じ予約クラスしか購入できなかったが、自由に組み合わせられるようになった。

「このようにシステムを変えたことで、お客様が弊社を利用する機会が増え、空席も出やすくなりました。今後は全世界的にこうした傾向が強くなると思います」

航空会社のラウンジ利用には上記のJALグローバルクラブ入会など条件があるが、特に日本の航空会社の設備とサービスは折り紙付きだ。JALは日本国内の他、海外5空港に自社運営のラウンジを持ち、タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港の「サクララウンジ」は今年3月にリニューアルオープンしたばかり。今後もラウンジの海外展開を進めていく予定だという。

「日本人のお客様向けでは、JAL SKY SUITEなど機材の改修を進めたいですし、世界のJALになるべく、ハードとソフトの両面での改善に日々努めていきます。2019年には最新のエアバスA350を導入する予定で、少しでも時期が早まればと期待しています」