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ベトナムの法律は一筋縄ではいかない。
日本と異なる法体系や頻繁な法改正があるからだ。
頼りになるのは法律事務所や会計事務所だが、敷居が高いと感じる人も…。
そこでSKETCHPROが協力。
日系企業が困りがちな具体例を作り、各専門家に回答をいただいた。

執筆ご担当(50音順)
AGS / DFDL Vietnam / EY ベトナム / TMI総合法律事務所
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 / 長島・大野・常松法律事務所
 
P17
Q. 日本企業の弊社は数年前、ベトナム国内でベトナム企業とのジョイントベンチャー(JV)立ち上げました。ただ、今後はJVを解消し、100%独資で新しい会社を始めようと検討しています。どのように進めたらよいでしょうか?

A. 相手方の株売却がポイント
JVを解消して新会社を独資で始める他に、JVの会社を100%買収する方法もあります。

まず買収の場合ですが、JVの事業内容が、「100%外資系企業向けに規制がない分野」であることが必須です。またこの選択肢は、JVのローカルパートナーがJV株を売る気があるかどうかにもよります。通常ベトナムのJVは有限責任会社(LLC)であり、LLCのメンバーは、他のメンバーがLLC株を譲渡しようとした場合の新株予約権があるからです。

ローカルパートナーがあなたの会社に株を売却する際には、両者は値段に合意しなければいけません。もしパートナー企業が別の企業に売却を希望する場合でも、通常あなたの会社には新株優先権があります。これは第三者の買い手から提案された値段でJV株を購入できる権利です。ですので、JVの契約にこの権利の記載がない場合は、ローカルパートナーに売却を強制できません。
JV株の譲渡は、JVのライセンス発行機関による手続きが必須です。JVを解消することによって単一株主のLLCとなります。

ローカルパートナーに株を売却する気がない場合は、解散を考えましょう。JVの解消と解散を強制するためにはまず、必要かつ十分なJV資本の保有が必須です。LLCにおいては、定款と契約書に他に定める保有率の記載がない場合は、通常総資本の75%が必要だからです。

ただ、このプロセスは債務整理、雇用契約を含む契約書の終結、税金完済などの様々なステップを含むため、実際には時間がかかる上に複雑です。

解散の完了後、双方のJVパートナーはJV株の保有比率に比例して資産を売り払う権利があり、債務があれば先に完済します。その後JVはライセンス機関によって解散、登録が解除されます。

回答者 : DFDL Vietnam 弁護士 Mr. JÉRÔME BUZENET