越の国の法律相談 No.011

現時点ではまだ不明瞭な点も残る

ベトナムで働いている外国人の強制社会保険への加入義務は、2014年社会保険法で新たに導入され、2018年1月から施行されていましたが、ガイドライン政令が制定されておらず、事実上機能していませんでした。ようやく2018年12月1日から新政令が施行され、いよいよ本格実施がスタートします。

対象となるのは、①ワークパーミットを受け、かつ、②ベトナム現地拠点と1年以上の有期または無期の雇用契約を締結している外国人、です。しかし、例外として、(a)外国企業からそのベトナム現地拠点へ企業内異動した場合、または、(b)定年(一般には男性60歳、女性55歳)に達している場合、には加入義務が免除されます。

ところが、(a)の「企業内異動」がどの範囲を指すのか、特に、(Ⅰ) 日本の親会社からではなく、日本または第三国のグループ会社から出向している人も免除されるか明らかではありません。

また、(Ⅱ)一部の行政当局は、例外として加入義務が免除されるのは、ワークパーミットを免除されている外国人のみとコメントしている、など、現時点ではまだ不明な点も残っており、最新情報をフォローするとともに、専門家に相談されることをおすすめします。

社会保険の二重加入回避に向けては交渉中

保険料は、基本給・諸手当等の算定基礎額(上限は一般公務員の月額最低賃金の20倍、現在は2780万VND)に対して使用者17・5%、労働者8%となっており、負担として軽くはありませんが、日本でも外国人に対して加入義務を課しているので、「お互いさま」といえます。

強制社会保険の二重加入を回避するため、現在、日本とベトナムの政府間交渉が行われていますが、条約締結までにはかなりの期間を要するとみられます。

 

小幡 葉子 Obata Yoko
日本国及びベトナム外国弁護士。JICAベトナム法整備支援
長期専門家などを経て、2013年4月より現職。
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