賢者の税務・会計術 vol.012

帰任時申告は出国日の45日以内に

こんにちは。AGS貝沼です。駐在員の帰任に伴い、社内調整や引き継ぎ、挨拶回りなど広範囲にわたり準備が必要になってくるかと存じます。
今回は、税務の観点から、帰任時に必要となる、個人所得税の申告(以下、帰任時申告という)に関してご案内します。

ベトナムでの暦年確定申告は3月末までに申告・納税を行いますが、帰任時申告は、ベトナム出国日より、45日以内に実施する必要があります。
帰任時申告を行う際は、帰任時における居住者・非居住者の判定に基づき申告所得及び税額を決定します。居住者の場合は全世界課税に対して申告を行い、非居住者の場合はベトナム源泉所得に対し申告を行います。

時間に余裕を持って申告の準備を

実務上の注意点として、以下留意していただく必要がございます。

①納税時期の検討

日本へ帰任後、会社負担により納税を行った際は、当該納税額が日本の課税対象となる可能性があります。帰任前に納税を行えるよう、申告納税の準備を行う必要があります。

②課税所得の再確認

帰任時の帰国手当や会社負担のビザ取得費用等は課税所得となります。

③申告書類の準備

外国法人より受給している給与がある居住者は、当該法人が発行する証明書の原本を提出する必要があります。

社内承認や郵送に時間がかかることが予想されるため、時間に余裕を持った準備が必要となります。

なお、帰任時申告を行う際は、居住者・非居住者の判定や、申告所得の範囲を正確に把握することが重要となるため、事前に専門家へ相談されることを推奨いたします。

貝沼 義斗
AGSハノイ事務所勤務。官公庁での税務業務、青年海外協力隊を経て、2018年より現職。ベトナム語を猛特訓中。
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