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Yベトナムの小野瀬です。第13回の対談は、税務・関税担当のTuan Anhさんです。

小野瀬 以前にも税務調査について対談をしましたが、最近では税関事後調査が非常多く行われています。税関事後調査とはどのようなもので、どのように対応をすればよいのでしょうか。

Tuan Anh まず、税関事後調査とは、税関職員が通関時の調査とは別に、輸出入書類や帳簿類を点検することを意味しています。この中でも、ベトナムにおいては、税関側の在庫残高(標準消費量に基づき計算)と会社が把握している在庫残高(実際消費量に基づき計算)の差異についての調査が非常に多く行われております。当該調査については、対象期間が5年以上となることも多く、差異も過去からの累積額となっていることから、追徴税額等も多額となっているケースが多く見られます。

小野瀬 最近は調査件数が増加しており、かつ法人税等の税務調査に比べて企業の担当者が不慣れなケースが多く、税関職員と十分に議論ができないまま、一方的に追徴税額が課されているケースも見受けられます。このような状況に対して、企業としてどう対応すべきでしょうか。

Tuan Anh 税関事後調査についても、税務調査と同様に、事前の準備が最も重要な対応策となります。まずは、税関側が把握している在庫残高と会社の会計上の残高との差異を把握した上で、事前に差異分析を行うことが必要となります。さらには、税関職員との交渉については、専門的な知識も必要となることが多いため、必要に応じて早いタイミングで専門家のサポートを受けることも重要となります。

小野瀬 貴久
Onose Takahisa
Ernst & Young Vietnamのホーチミン事務所に勤務する日本国公認会計士。大手監査法人にて監査や株式公開業務に従事後、2006年からEYジャカルタ事務所、2011年よりEYベトナム・ホーチミン事務所に勤務。
ウェブサイト: www.ey.com