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Yベトナムの小野瀬です。第11回の対談は、個人所得税担当のKim Anhさんです。

小野瀬 日本の社会保険と同様に、ベトナムでも強制保険が適用されています。雇用者と被雇用者は保険料を支払う必要がありますが、どのような内容でしょうか。

Kim Anh ベトナムで適用される強制保険は、社会保険(SI)、健康保険(HI)、失業保険(UI)の3種類となります。このうち、外国人労働者は医療保険のみ対象です(2016年9月現在)。

小野瀬 日本の社会保険制度と似ていますね。日本からベトナムに出向で赴任している駐在員の方の、日本の社会保険はどのようになるのでしょうか。

Kim Anh 日本において社会保険が適用になるか否かは、日本企業との雇用契約が継続するか否かにより異なります。日本企業に在籍したまま、ベトナム企業に出向している場合には、日本での社会保険被保険者資格は継続します。この場合は上記の医療保険と平行して、日本での社会保険料も継続して支払うことになります。

ただし、40歳以上65歳未満の方に適用される介護保険については、海外では適用外となります。このため、介護保険適用除外該当届を提出すれば、介護保険料は支払う必要はなくなります。また、労災保険についても海外では適用外となります。

一方、日本企業との雇用契約を終了させた上でベトナム企業と新たに雇用契約を締結する場合には、日本での社会保険者資格は喪失します。日本企業に在籍したままでも、出向先の企業から給与が全く支払われていない場合は、社会保険者資格は喪失することになります。

小野瀬 貴久
Onose Takahisa
Ernst & Young Vietnamのホーチミン事務所に勤務する日本国公認会計士。大手監査法人にて監査や株式公開業務に従事後、2006年からEYジャカルタ事務所、2011年よりEYベトナム・ホーチミン事務所に勤務。
ウェブサイト: www.ey.com