年7月1日に改正企業法・投資法が施行されましたが、旧法下では、ベトナム国内資本の会社に対して旧企業法に基づき事業登録証明書(Business Registration Certificate:BRC)、外国資本の会社(ベトナム国内資本の会社でICも発行される場合あり)に対して旧投資法に基づき投資証明書(Investment Certificate:IC)が発行されており、会社情報も記載されたICがBRCを兼ねていたため、新設外資会社の法人設立証明書はICのみで足りました。

改正法の下では、まず名称が変わり、企業法に基づき企業登録証明書(Enterprise Registration Certificate:ERC)が、投資法に基づき投資登録証明書(Investment Certificate Registration:IRC)が発行されます。

また、これまでは1通のICに記載されていた会社情報と投資情報が、会社情報はERC、外国投資情報はIRC、と2つの証明書に分かれました。

新旧制度の移行は次のように行われます。新設外資会社はERCおよびIRCの双方を取得する必要があり、旧法下で設立済みで現在ICのみ保有している外資会社も、会社情報を変更する場合には新たにERCが、投資情報を変更する場合には新たにIRCが、両者を変更する場合には新たにERCおよびIRCが必要になります。もっとも、まず情報を変更する前の情報が記載されたERCの発行を求められるケースがある等、手続きは混乱しているようであり、今後の運用、各省ごとの実務に十分留意する必要があります。

しばらくはBRC/ERC/IC/IRCを同時に目にする機会が続くと思われますので、上記を念頭に整理していただければと思います。

小林 亮
Kobayashi Ryo
TMI総合法律事務所ホーチミンオフィスに勤務する、日本国及びベトナム外国弁護士。東京オフィスにて多数の東南アジア案件を担当後、2014年3月よりホーチミンオフィス駐在。
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