トナムに来てまず驚くのがバイクの多さ、そして荒い運転。今回は交通法規についていくつか取り上げたいと思います。

ベトナムにおける一般的な交通法規は道路交通法とその下位法令で、各種車両の速度制限、車間距離、交通安全保護に関する規定、信号、道路標識に関する規定、車両登録、ナンバープレート、運転免許付与に関する規定、行政違反処分等の規定が定められています。

右側通行であるベトナムにおいて「信号が赤でも右折は可」と、ベトナム人でも誤認している場合が多いようですが、道路交通法は原則として赤信号での右折を禁止。ただし、右折可の信号・看板が付いている場合や、右折専用レーンがある場合は許されます。

車とバイクなどの車両の種別ごとに、通行してよい車線が決まっている場合があります。車に乗っていてバイクが逆走している場面に出くわした方もいるかもしれませんが、車のみに対する一方通行の道路もあります。

また、クラクションが挨拶のように鳴り響くことも。実は緊急時の場合を除き、午後10時から翌朝5時までの間の、住宅街等におけるクラクションの使用は禁止されています。

アルコール濃度検査のため運転中に交通警察官に停止を求められる場合、当該検査を拒否すると、交通違反として行政処罰の対象(車両1600~1800万VND、バイク300~400万VND)となります。飲酒による交通事故が極めて多いので、アルコール濃度の検査がよく行われ、飲酒運転の罰金も年々引き上げられています。

交通法規も(?)、法令と異なる実務上のルールがあるようですが、自分の身を守るためにもベトナムの交通法規を知っておいた方がよいでしょう。

小林 亮
Kobayashi Ryo
TMI総合法律事務所ホーチミンオフィスに勤務する、日本国及びベトナム外国弁護士。東京オフィスにて多数の東南アジア案件を担当後、2014年3月よりホーチミンオフィス駐在。
www.tmi.gr.jp