【CBREベトナム】ホーチミン市のオフィス市場リポート
チャンスは2017年第1四半期まで
ーチミン市のオフィス市場はここ2年ほど需要が増え、あまり供給がないため、ランドロードマーケット(地主に有利な市場)と言えます。高い入居率で需要が毎年約12%増えており、弊社では賃貸料が2016年から2018年にかけて、毎年4%上がると見込んでいます。ハノイのオフィスは市内中心部や西のビジネスエリアなど複数の地域に分かれますが、ホーチミン市では中心部に集中しているのが特徴です。
ホーチミン市市場では新しいプロジェクトが始まっており、今後は市場がかなり動くだろうと見ています。シンガポールのデベロッパーKeppel Landは1区のSaigon Center Phase 2を、2017年の第3四半期にオープンします。4万5000㎡のグレードAオフィスで、高島屋デパートの上に建設予定。かなりクオリティが高く、柱を作らない2000㎡ワンフロアのプランもあります。もし違うフロアも借りたいときは、屋内に階段を作れる柔軟性があり、こうした高級オフィスはベトナムで初めて建設予定です。
中心部以外では7区にMapletree Business Centreが建設されますが、7区初のグレードAオフィスとなります。賃貸料は中心部のグレードAと比べると半分ほど安いのですが、IT系など社員が多い企業のバックオフィスにはよい選択肢だと思います。2016年の第1四半期のオープン予定です。
こうした新規オフィスはテナントへのアピールをしますから、既存のオフィスは入居率を下げないように賃料を下げる連鎖反応が見込まれます。そのため、2017年第1四半期まではテナントにとって良いチャンス。また、新規のプロジェクトに事務所移転を決められたら、デベロッパーから良い条件の賃貸料を引き出すことができるでしょう。
ハンフリー・モーガン
Humphrey Morgan
SAVILLS VIETNAM LTD.のNational Head of Commercial Leasing兼Japan Desk。イギリス出身。ハノイとホーチミン市の商業物件チームを率いる一方、ジャパンデスクを開設。ベトナム全土で取引実績多数。日本で5年間勤務。
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