んにちは、AGSの辻です。今回から2回に渡って、公式インボイスをテーマにしたいと思います。ベトナムの公式インボイスは「レッドインボイス」という俗称が有名ですが、公式インボイスの記入方法や修正方法は細かく規定されています。規定に沿わない処理を行った場合は、罰則の対象となるケースがありますので、注意が必要です。

例えば、公式インボイスの記入方法は以下のように規定されています。

①記入される情報は実際の取引と一致していなければならない。

②記入ずみ情報の消去・変更は原則できない(新しく公式インボイスを書き直さなければならない)。

③同じ色の消えないインクを使用しなければならない。

④赤色のインクを使用してはならない。

⑤文字や数字は途切れることなく、連続して記入しなければならない。

⑥印刷されている文字の上に記入してはならない。

⑦すべての空白を埋めなければならない(自己印刷している場合および注文インボイスがコンピュータにより発行されている場合は免除)。

記入された情報が事実と違う場合はもちろん、記入されたタックスコードに不自然な間隔が空いている場合や文字が間違っている場合にも、罰則の対象となる可能性があります。

また、法人所得税や付加価値税計算時に控除が認められない可能性もありますので、公式インボイスを作成される際には十分にご注意いただき、また、仕入先から受け取った公式インボイスに誤記入がないかをしっかりとお確かめください。

次回は公式インボイスの修正方法についてご案内いたします。

辻 雄太
Tsuji Yuta
AGSホーチミン事務所に勤務する米国公認会計士。日本の大手メーカーでの勤務を経て2015年より現職。国際税務・国際会計基準対応などに強みを持つ。
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