20万ＶＮＤと朝食代をポッケに入れて異世界へ

週末エンターテインメント　No.3

船が目の前を縦横無尽に行き交っていく

たまたまの出張でカントーにやってきた。メコンデルタ地方最大の都市とはいえ、人口はまだ１５０万人。１０００万人都市のホーチミン市と比べるとのんびりとした雰囲気が魅力だ。ホーチミン市から車で５時間、さすがに日帰りは厳しいので、１泊２日。ちょっとした旅行気分だ。

ちなみに、ここはベトナム有数の美女の産地と言われているが、これといった歓楽街もないので夜は早めにホテルに帰るのが吉。その代わり、ここは朝が素晴らしい。特に日の出とともに始まる水上マーケットにぜひ足を運んでほしい。メコン川の支流に何隻もの船が集まり、野菜から日用品の売り買いまで。ゆるい朝日を受けながら、異国の暮らしを覗き見できるマーケットだ。

特別な予約をしなくても川沿いにいけば、仲介業者が話しかけてきて、20万ＶＮＤそこらで船に乗せてくれる。たいしたボッタクリもない。港を出ると徐々にそれらしき船が増えてくる。果物を積んだ船がふらりとよってきては離れていき、20分ほどでメインエリアに到着。コーヒーを出す喫茶や食事処もあるようだ。

すれ違う船を眺めると、中には洗濯物が吊るされた船もあり、確かに観光客は多いが、まだまだ現地の人々の生活の場なのだと伝わってくる。まったく違う世界に来た感覚。伝わってくる刺激があまりに多すぎて、うまく言葉が追いつかない。ここにはいくつの船があるのだろうか、どれだけの人がいるのだろうか。この川の上で起きていることを考え始めると想像が止まらない。なぜだかロマンを感じる。

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