「働き方」の変革期で増える管理職の悩み

弊社は、日本で日系企業中心に130組織の管理職の皆さんに「管理者の悩み」についてアンケート調査を実施しました。その結果、1位「部下の育成スピードを上げられない」、2位「課題が多過ぎて積み残すことがある」、3位「部署の総残業時間を減らせない」が挙がりました。

「働き方改革」の推進や、長時間労働の問題が多く取り上げられることなど、「働き方」への関心が高まっています。一方で限られた時間の中で部下を早期育成することを困難を感じている管理者が多くいると推察します。

ベトナムにおいては、どうでしょうか。1位「部下の育成スピードを上げられない」に関しては、「どのように部下を育成したら良いか?」「教育の仕組みが出来ていない」「教育しても辞めてしまう」など、多くの在越日系企業が同じような悩みを抱えていると感じます。一方で、日系企業の強みであるOJT、OFF―JTも含め、しっかりとした仕組みの中で部下を育成をしている企業も少なくありません。

課題解決のために戦略的な人事制度を

2位「課題が多過ぎて積み残すことがある」、3位「部署の総残業時間を減らせない」に関しては、残業問題に課題を持っている在越日系企業はそれほど多くはありません。しかし、上手くベトナム人幹部へ仕事を任せることが出来ていないと問題意識を持っている企業が多いと感じます。その理由としては、日本本社とのやり取りなど日本人しか出来ない仕事がある、経営幹部が育っていない、日本人が仕事を抱え込みすぎているなどの理由があると思います。

上記の課題を解決するために、①キャリアパス構築②教育のシステム ③幹部人材に求められる能力定義④戦略的な人事制度構築⑤能力要件定義など戦略的に人事制度を考えることは、日本と同じように重要なことを感じます。ぜひ、自社の将来のビジョン達成のために、どのような人事戦略で行くかも考える時間・機会も持ってみてください。

 

荒澤 文寛 Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国の責任者を経て、
ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
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E-mail:vietnam@bcon.co.jp