変化を加速させる2つの要素とは

このごろ、池井戸潤氏の小説『空飛ぶタイヤ』、『七つの会議』をついつい読みふけっていました。昔ながらの日本の組織体質や、利益を優先させる組織と人のありようを少し大袈裟に描写し、それに対峙し、戦う様を痛快に描いたストーリーにひきつけられます。

さて、5月にワシントンで組織・人材開発会議(ATD)「アメリカや世界における大きな変化」が開催されました。本会議の参加者が共有している「人と組織のあり方」は、そういった古い日本の組織体質“あるある”とは180度違っていため、頭がクラクラしてしまいました。

今、人と組織のあり方の変化を加速させているのは、以下の2つの要素のように感じます。

1.テクノロジーの進化

人工知能(AI)や仮想現実(VR)などを活用したトレーニングやコーチングに関する展示があり、業務の自動化や社外人材を活用した労働力の拡張などを組み合わせた戦略的労働力が提案されるなど、デジタル化によって業務の捉え方自体を変えていかなければいけないと感じました。

2.働く人の意識の変化と組織形態の進化

セッションでは、ミレニアル世代(1981~1996年に生まれ)に加え、ジェネレーションZ(1990年代後半~2000年代に生まれ)世代の価値観が取り上げられました。彼らは10代でリーマンショックの状況を見ていることもあり、組織に所属したり、都会に出て働くことがリスクと考え、フリーランスとしての働き方を選択する人が多いようです。

新世代の価値観に呼応した変化を

それに呼応するように、企業は優秀な人材を活用するために、自律分散型の組織のあり方を模索し、リーダーシップのあり方や、人材育成の変化に関する会合がみられました。

まだ遠い世界ように感じるかもしれませんが、すでにトヨタ自動車が終身雇用はできないと表明したりと、その予兆を感じるニュースに触れることが出来ます。

大きな変化が起きています。最新の考え方で行きたいですね。

 

荒澤 文寛 Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国の責任者を経て、
ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
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