持続可能な社会の実現に向けた目標

今回のテーマは、SDGsを戦略的に活用し、ビジネスチャンスにする方法です。SDGs(エスディージーズ)とは、サスティナブル・デベロップメント・ゴールズ、つまり、持続可能な開発目標の略称です。2015年9月、国連において国際社会が2030年までに持続可能な社会を実現するための重要な指針として17の目標、169のターゲットとして示されました。

2014年の時点では世界の7億4800万人が飲料水不足、数十億人が安全な水の安定供給を受けられていない、約25億人が最低限の衛生状態で生活できていないと言われています。このような状況に対応するために、SDGsが設定されました。

日本でもSDGsが中期経営計画の柱に

例えば、ベトナムにおいても、サスティナブルな社会を作るということが、大きな話題になっています。電気バイクの普及に向けての動きや紙ストローの活用などが進んでいるだけでなく、SDGsの文字を新聞で目にする機会も増えました。

ちなみに、日本においては、電通が全国の10~70代の男女1400人を対象に実施し、2019年4月発表した「SDGsに関する生活者調査」において、SDGsの認知率は14・8%でした。上場企業を中心にCSRレポートに記載するだけではなく、中期経営計画(中計)の柱にSDGsを掲げている企業が増えてきているようです。今後の顧客や株主・投資家の選択基準の1つになる観点であり、取り組むことで差別化になるビジネスチャンスと捉えて、戦略的に取り組み始めています。

また、業界で先駆けて取り組むことで、ルールや基準をつくる側に立つことができると考えます。現在からの延長線上の発想(フォアキャスティング)だけではなくて、起こり得る未来を予測して(バックキャスティング)経営していくことが非常に大事と思います。

 

荒澤 文寛 Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国の責任者を経て、
ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
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