SK人事部 採用・教育虎の巻 其の七十五

面接に遅刻するのは
普通の出来事?

まず、ベトナムでは求職者が結構な頻度で面接に遅刻してきます。たしかに時間にルーズな人を採用したくないという気持ちはわかりますが、そもそも時間厳守という文化がない、交通機関がバスとタクシーしかない、バスに時刻表がない、スコールなど天候が急変することがある、地図が整備されていないなどの点から、ある程度は許容も必要かと思います。例えば、●分までの遅刻は可といったように社内で許容範囲を設定しておくのも良いかもしれません。

日本では2~3度面接をすることはよくあるかと思います。しかし、ベトナムでは何度も面接することは嫌がられることが多いです。複数回にわたる面接により、「一度面接で素直に話したのに、まだ信用してくれていないのですか」と不信感が芽生えることもあるようです。対策としては、予め面接回数を伝えるか、なぜ次の面接をしなければならないのかを説明しておくと良いでしょう。

また、ベトナムでは入社日が1ヶ月後の会社の方が待遇が良いとしても、明日入社できる会社が好まれる傾向があります。よって、面接から内定、入社まではできるだけタイトなスケジュールでの採用をおすすめします。また、内定通知を口頭でしたり、オファーレターの送付が遅れると、確実なオファーではないとみなされ、辞退されるケースもあるためご注意ください。

グロスかネットか
給与交渉時の注意点

グロス(Gross、額面)給料とネット(Net、手取り)給料の認識の違いで給与交渉に失敗する例もあります。採用通知を出してから揉めないためにも、給与交渉する際には必ずグロスとネットを明らかにしましょう。

また、給料交渉の際、ベトナムでは米ドルで提示することが非常に多いです。ベトナムドンで交渉することもありますが、米ドルでの交渉は商慣習として定着しているため、その慣例に合わせると無難です。

室井匡人

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