VATの還付できる場合と
税務当局のスタンス

付加価値税(VAT)については投資プロジェクトの稼働前にかかる仕入VATや、輸出売上にかかる仕入VATは、一定の条件のもと還付が認められています。

税務当局としては還付予算があるため、還付申請書やVATインボイス、その他の関連証票を厳しくチェックします。これらの書類の不備からVAT還付の一部が否認されるケースは多く、申請にあたっては書類に不備がないか、事前にきちんとチェックする必要があります。

今回は法人を新規設立する場合のVAT還付にあたって、税務当局からのよくある指摘事項についてご紹介します。

新規設立のインプットVAT
フォームとタイミングに留意

新規設立の場合、稼働前の期間にかかる仕入VATは還付可能とされています。「稼働前」の定義はあいまいですが、「初回の売上計上前」と解されることが多くあります。したがって、初回売上の計上後はVAT還付ができなくなってしまいます。特に新規工場でテスト生産を行い、テスト生産品をうっかり売ってしまった後にVAT還付ができなくなったケースも散見されるため、留意が必要です。

また、VAT申告にあたっても、稼働前の期間にあたってはForm 02/GTGTを使う必要があります。使用するフォームの誤りがあった場合には、還付が認められなくなるケースがありますので、十分にご注意ください。

西川 貴陽 Nishikawa Takaaki
公認会計士(日本・米国)、日系企業担当インドシナ副統括ディレクター。EY新日本有限責任監査法人にて、監査業務や株式公開支援業務、財務デューデリジェンス業務に従事後、2016年よりEYベトナムに赴任。
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