在越日系企業の力強い味方。それが同じ日系の公的機関だ。
大使館や総領事館はもちろん、ベトナムにも企業を支援する機関が数多くある。
一方、「敷居が高い」や「うちとは関係ない」と足を運ばない方も多いのでは?
今回は主たる支援内容を各機関にアピールをしてもらった。

 

2008年10月、JBAVの支部としてダナン市政府より承認・発足したダナン日本商工会(JBAD)。2017年8月末現在の会員数は110社。今後はJBAVやJBAHのように、会員同士の交流を促進させたいという。

2008年に正式発足 3委員会が活動の中心

JBAD設立以前にも、日系企業間の情報交換の場として、親睦会的な会合はあったそうだ。それが2007年に「中部ベトナム日系企業連絡会」として活動をスタートし、JBADとして発足するベースとなった。現在の主な活動は、毎月定期的に開催する理事会の他、1年に1回の定期総会と、その後の新年会を含む年2回の親睦会、ダナン市主催の日越文化交流フェスティバルやホイアン祭りなどへのイベント参加などだ。
「他の商工会のようには、会員企業をしっかりと支援できていないかもしれません。ただ、結束力は強くて総会後の新年会には200人以上が参加しますし、今年8月の納涼祭(親睦会)には約150人が集まりました」

2017年度の定期総会

とはいえ、理事会下には事業環境委員会、生活環境委員会、イベント委員会があり、事業環境委員会を中心に会員の問題や課題を取りまとめ、ダナン市政府に働きかけを行っている。本来は中部の他の都市にも広げたいが、専任がいないため現状ではカバーしきれないという。

また、事業環境委員会では最低賃金など会員共通の相談事が話し合われ、生活環境委員会では生活環境の改善に向けた会合やレストランなど特約店の確保、イベント委員会はイベントの企画、手配などを行っている。

セミナーで情報発信 今後は地域で交流を

また、平均して月に1回はセミナーを開催。テーマは法律、税務、労務や製造業関連などで、最近では税務・税関関連が多くなってきたそうだ。事業環境委員会が会場を用意して、会員企業や外部の講師が講演するという一般的な形で、1回で20~30人が集まり好評を得ている。


今年の納涼祭の様子

「会員の業種は、社数では商業系(主にIT系)、総従業員数になると工業系が多くなります。そのため、満遍なくテーマを揃えるように心掛けています。また、新規入会会員ではサービス系も増えてきましたね」

発足前は外からの営業活動を、受け手もベトナム国内の情報交換ができるので歓迎したが、現在のように手軽に情報が入手できるようになると営業の訪問を拒む傾向も出てきたという。だからこそ、日系企業のネットワークの柱となるJBADの存在が大切であり、今後は会員同士の交流を広げたいと考えている。

「同業種が集まる部会ではなく、地域(エリア)ごとに集まる会の新設を考えています。現在は事務局からの情報発信が中心で、集まりも大きな会ばかりですから、小さい枠で交流できる場を作りたいのです」

企業進出の場としても、リゾートなどの観光開発としても、世界から注目されているダナン。

「平日の疲れた心と体を癒す、海とビーチが徒歩圏内にあります。ぜひ一度いらしてください」