Novaland Group
大手デベロッパーの開発計画　外国人購入者へのアドバイス

ホーチミン市の主要な地域に高級コンドミニアム、ショッピングセンター、オフィスビル、複合施設を開発してきたノヴァランドグループ。ベトナム有数の不動産投資開発会社だ。その社長がベトナム不動産開発の最前線を語る。

今年半年で急上昇　住宅法改正も追い風に

ノヴァランドグループによると、今年の前半６ヶ月間、ベトナムの不動産市場は順調に上昇しているという。ホーチミン市では約７０００件の販売取引が成立し、昨年同期比で2.8倍増加したとのことだ。７月から施行された改正住宅法も朗報だという。

「物件完成前の不動産の売り主に対して、いざという際の払い戻しについての、商業銀行の保証が義務付けられました。こうした変化もこれからの不動産市場にプラスになります」

住宅法の改正に伴い、関連する不動産経営法も改正された。売買契約を結んだ後に物件がきちんと購入者に引き渡されないなどがあったため、購入者の保護のために商業銀行の保証を得られるようになったのだ。

また、一般的な外国人と共に、成功者の多いベトキュー（越僑：外国に移住したベトナム人）が住宅を購入できるようになるため、不動産市場は活発になるという。ベトナムの住宅保有率の低さもそれを後押しする。住宅を所有している国民がまだ少ないため、９０００万人を超えた人口のニーズには期待大。これから家庭を築く若年層の多さや、所得増による中間層の拡大も追い風だ。

Huy氏は２０１５年の不動産市場について、「競争はより激化するはず」と語る。商品の多様性に加えて、顧客が納得できる価格設定、高いクオリティの確保が厳しく問われるというのだ。例えば、現在では高級・高層のコンドミニアムが人気だが…。

「世界中にトレンドに合わせて、単なるコンドミニアムだけでなく、オフィスビルや商業スペースなどを揃えた総合施設に展開し、移動時間の短縮や様々な実用性、生活が楽しめるような工夫が必要になるでしょう」

外国人購入者へ５つのアドバイス

ノヴァランドグループではこうした複合施設の建設はもちろん、ヴィラや一軒家などの新商品も導入予定だという。特に重視するのは住宅の管理サービス、利便性、治安とのことだ。また、ホーチミン市２区にある「Tropic Garden」のＣ２棟と７区にある「Sunrise City」のセントラルタワー棟を、予定より早く完成させて、購入者に引き渡したという。こうした建設スケジュールの徹底も、顧客の信頼性を高める要素となるのかもしれない。

「今後もプロジェクトをしっかり管理し、２０１５年末までには「Galaxy 9」（４区）、「ICON 56」（４区）、「The Prince」（フーニャン区）などの建設を完成させ、計２５００戸以上の高品質コンドミニアムをお客様に引き渡す予定です」

同グループでは購入者の支援プログラムとベトキューを含む外国人の購入サポートを同時に実施する予定。そこで、これからベトナムの不動産・住宅を購入する外国人へのアドバイスを聞いた。以下の５点に注意すべきだという。

まずは場所で、市場や学校、病院、勤務地などへの交通アクセス。２番目が価格と支払い条件で、合理的な価格であるかどうか。これは高級・中級・手頃などのクラスや地域によっても大きく異なる。３番目は建設の企画やデザイン。これらやプロジェクトの地域、使用される素材などから物件のクラスが判断できるという。
４番目がプロジェクトのクオリティとデベロッパーや出資会社の信頼度。こうした企業の専門性やファイナンス、建設の進捗管理などの実績を調べることが大切になる。そして最後は、買いやすさと共に売りやすさと貸しやすさである。

「購入した判断が正しいかどうかは、これらの要素からわかります。居住目的でも投資目的でも、良い物件は簡単に貸すことができ、相当額の家賃を得られるものです」

ベトナムの大規模プロジェクト例

The Sun Avenue
ノヴァランドグループの代表的な大規模プロジェクトが「The Sun Avenue」だ。商業・サービス施設、オフィス、コンドミニアムの総合施設で、28～30階の建物が計８棟立ち並ぶ。コンドミニアムは全1400戸以上で、川と緑に囲まれた周辺地域やホーチミン市中心部が見通せるように、開放的に設計されている。