Q. テト明けの離職増が心配。食い止めるために今できることは?

A. 気遣いや思いやりを具体的な行動で示しましょう

旧正月(テト)の度に話題になることは、テトボーナスとテト明けの離職問題です。日本でもボーナス後の離職が少なくないようですが、ベトナムでも同様であり、その背景を理解する必要があると思います。

インセンティブ制度が適用されることが多い営業職のボーナスに対する期待感と、事務職の給与以外の報酬としてのボーナスに対する期待感には雲泥の差があるのです。

テトは1年で最も消費が活発になる時期です。特に地方出身の社員は帰省に伴う出費も増加するため、会社としては彼らをサポートする工夫が求められます。例えば、帰省交通費の一部会社負担、社長のサイン入りカードの配布、客先から寄贈品の分配、社長からの丁寧な謝辞など、会社の気遣いが伝わるような具体的な言動が社員の心に響くでしょう。

離職を留めるにはテト前の動きが肝心

業績に対する貢献度が高い社員を表彰し、会社はきちんと見ています、適切に評価しています、といったアピールも必要です。ベトナム人はシャイと言われていますが、人前で表彰されるような派手な演出も好みます。些細とも言える心構えと対応によって、離職を考えていた社員が会社を見直して翻意するというケースも少なくないのです。

新年の挨拶メッセージを送ったり、テト明けの初出勤日に「お年玉(数万VNDでOK)」を渡したり、社内で新年会やお茶会を開いて、「今年もよろしくね!」と、皆で仕事に取り組む姿勢を共有することも効果的でしょう。

一般的に、テト明けに転職を考える傾向が強いため、彼らの離転職意識にブレーキを掛ける手法はテト前から考えるべきです。透明性・公平性のある人事評価制度や面談制度を整え、彼らの思いを早い段階で覚知し、随時対応することが望まれます。

 

レ・トゥイ・ディウ・ウィン
Le Thuy Dieu Uyen
2013年に入社。
2018年4月にジェネラルダイレクターに就任した。
JAC Recruitment Vietnamホーチミン市事務所
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