んにちは。ビジネスコンサルタントの荒澤です。私の子どもは、スマホのゲームにハマっています(笑)。実はこれらの多くは「ゲーミフィケーション」という仕掛けで人を熱中させており、最近ではマネジメントの世界でも使われています。ゲーミフィケーションのキーポイントは3つ。報酬あるいは罰則としての「見返り」、個人でのランキングやチームワークで達成などの「社会性」、予測できる・できない「仕掛け」です。

これを職場に応用するとどうなるでしょうか? ある会社では、他の社員からほめられた回数で「バッジ」を贈り、その回数を点数化して社内評価に導入しています。何かの遊びのようにも見えますが、実は役職者は月に40個、一般社員は月に20個を贈ることが義務付けられ、バッジの数は昇給にも直接結び付きます。この制度の効用には、①皆が楽しみながら実践できる、②同僚を良く観察して理解するようになる、③評価の納得度が高くなるなどがあります。

ただしゲーミフィケーションは、報酬が目的となった時点で失敗するという危険もあります。子どもを例にすれば、頑張って宿題をした→続けてほしいから親が小遣いをあげた→小遣いがないと宿題をしなくなった。つまり、お小遣いをもらうことが目的となってしまったのです。

価値観を周知させ、評価を小まめに行い、納得感を与える等、管理職がすべきことは熟知していても、現実にはプレイングマネジャーとしての多忙な日々の中でなおざりになっている。そんな方も多いのではないでしょうか。ゲーム的な要素を取り入れた、忙しくても楽しく実践できる環境作りは、管理職のためにも必要なのかもしれません。

荒澤 文寛
Arasawa Fumihiro
Business Consultants Vietnam Co., Ltd. General Director。東京の芝学園教諭を経てアメリカ留学。その後、株式会社ビジネスコンサルタント入社。サンフランシスコ、東京、熊本の責任者を経て、ベトナム法人を立ち上げて現職。