事で成果を出す人材とは、諦めずに続ける能力がある人。続けるためには「根気」。猛烈な努力を必要としないほど才能のある人なんていない。猛烈な努力をさせる原動力となるのが根気なのです。では、成長の条件である「根気」を引き出すには、いったいどのようにしたら良いのでしょうか?

根気は生得的なものかどうかという議論がありますが、才能と違って、条件が揃えば発揮できるものだと言われています。1つは、マインドセットが影響しています。自分の能力が固定的であるとみて、努力を無駄だとみなしているマインドセット(Fixed Mindset)と、自分の能力は努力次第で伸ばすことができると思っているマインドセット(Growth Mindset)。後者の方が諦めないで、挑戦する力があることが脳科学的にも証明されています。

もう1つ、目標を追求していくには、それ自体が楽しいと思えることが大切になってきます。そのために必要な条件として、クレアモント大学のチクセントミハイ博士は次のようなものを挙げています。

1.目標に意義や意味を感じること。

2.自分の能力よりも少し高めの目標であること。

3.目標にどれだけ近づけているか確認できること。

このような条件が揃う仕事や仕事環境では、「フロー」という「仕事に夢中になる」状態になれるそうです。職場で上司がマネジメントとしてできることに大きく関わっていると思いませんか? 人の成長に関わる「根気」は、職場のマネジメントを通して条件を整えることで、開発できる可能性があるということです。もちろん、その上司にも「根気」が必要になりますが、上手く条件を揃えられれば、それこそ「根気養成ギブス」の役割が職場でも果たせるのではないでしょうか。

荒澤 文寛
Arasawa Fumihiro
Business Consultants Vietnam Co., Ltd. General Director。東京の芝学園教諭を経てアメリカ留学。その後、株式会社ビジネスコンサルタント入社。サンフランシスコ、東京、熊本の責任者を経て、ベトナム法人を立ち上げて現職。