2015年6月22日、法人税についての通達96/2015/TT-BTC(以下、通達96)が発行されました。施行は2015年8月からで、2015年内に終了する会計期間より適用されます。今回は当改正法につき、社内規程の整備という観点から解説いたします。

①給与規定-生命保険の追加(通達96第4条2.6 b)給与、賃金、ボーナス等の支払いを損金算入とするためには、労働契約書・覚書・社内規程等の整備が必要です。通達96では生命保険がこれに加わり、限度額なく損金算入が可能となります。

②旅費規定(1)-ポケットマネー支払い制限(通達102/2012/TT-BTCの付録に従って公務員に支払われる金額の2倍まで)の撤廃(通達96第4条2.9前段)

ビジネス旅行において、ポケットマネー、交通費、宿泊費等は、レッドインボイス等の必要証憑の取得および社内の旅費規定に従って支払われることを条件として、合理的な範囲で金額を問わず損金算入が可能となりました。

③旅費規定(2)-従業員の銀行カードによる立替払いにおける損金算入(通達96第4条2.9後段)

従業員の銀行カード(デビットカード、クレジットカード等)払いの損金算入が新しく規定されました。支払いが2000万VND以上の場合や航空チケット購入時は、レッドインボイスの取得、ビジネス旅行の命令書発行、立替払い精算についての社内規程整備の3条件をすべて満たせば、損金算入が可能です。

なお、損金算入は、ライセンス記載の事業との関連性が認められる限りにおいて認められる点に注意が必要です。

当改正法の発行を契機として、社内規程の見直しと整備をお勧めいたします。

次回からは、外国契約者税について解説いたします。

吉田 俊也
Yoshida Shunya
AGSホーチミン事務所に勤務する日本国公認会計士。日本の大手メーカーでの経理を経て2014年より現職。原価計算システム構築、連結決算、国際会計基準対応などに強みを持つ。
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