遇税制の適用を受ける際には、規定された記帳・会計処理やインボイスの収集・管理を行うのはもちろん、複数の事業を行う場合には、優遇を受ける事業とそれ以外の事業を区分して、会計処理を行う必要があります。

CITの優遇税制には優遇税率と免減税があります。CITの通常税率は22%(2016年1月からは20%)となっておりますが、優遇税率には10%(15年間および無期限)と20%(10年間と無期限)が定められています。優遇税率10%(15年間)が適用可能なのは、特別奨励投資地域やハイテクパークにおける新規投資等の他、雇用増進のため、資本金6億VND以上かつ3000人以上を雇用する企業等も対象となります。

税率20%(10年間)が適用可能なのは、奨励投資地域への新規投資、高級鉄鋼、エネルギー節約型の製品への新規投資等となります。20%優遇の中には2016年1月以降、税率17%に優遇される投資もあります。

免減制度には免税制度と50%減税制度があります。上記の優遇税制で、税率10%(15年間)を受けることができる事業等については免税4年・減税(50%)9年、税率20%(10年間)を受けることができる事業、工業団地(一部例外を除く)については免税2年・減税(50%)4年が適用可能となります。

なお、優遇税率は最初に当該投資から売上を計上した年から、免税制度は課税所得を最初に計上した年から起算されます。ただし、免税については、最初に収益を計上してから3年を経過した時点で課税所得の計上がされない場合には、4年目から自動的に免税期間が開始されるため、注意が必要となります。

次号は、納税について解説して参ります。

津田 栄治
Tsuda Eiji
AGS ハノイ事務所に勤務する日本国公認会計士試験合格者。住宅メーカー・商社で海外駐在。メーカーでの経理を経て、2013 年より現職。法人設立、会計税務などを担当。
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