んにちは、AGSの辻です。私がこの記事を書いている2017年12月下旬は、外国人の社会保険加入義務の話で揺れに揺れているのですが、今回はそんな社会保険に関する記事を寄稿させていただきます。

現在、社会保険料の徴収は管轄の社会保険事務所によって行われていますが、財務省から政府に対して、2020年1月1日もしくは7月1日より、税務局が税金と併せて社会保険料の徴収も行うことが提案されています。

この提案の主な趣旨は社会保険料の徴収を積極的に行い、財源に充てるということです。現在、労働・傷病兵・社会省(MOLISA)発表の労働者数が5400万人であるのに対し、社会保険に加入している労働者は1300万人程度であり、相当数の社会保険料徴収漏れが想定されます。

また、社会保険事務所が管理している雇用主の数が約30万であるのに対し、税務局が管理している数は約60万であることから、税務局と社会保険事務所が協力をすることで、社会保険料の徴収額増加が見込まれます(統計は財務省の提案書から引用)。

確かに財源確保という意味では有効な政策と考えられますが、この提案に対しては、既存システムを変更するために相当なコスト発生が想定されることから、他省庁および民間企業で反対の声が上がっているようです。我々外国人にとっても影響がある話ですので、今後の動向には注意していきたいところです。

さて、今月号がSKETCHPROの最終号となります。今後は週刊誌のSKにコンテンツが移管され、私も引き続き、SKで月1回程度のペースで寄稿させていただく予定となっております。次回はSKの誌面でお会いしましょう。それでは。

辻 雄太
Tsuji Yuta
AGSホーチミン事務所に勤務する米国公認会計士。日本の大手メーカーでの勤務を経て2015年より現職。国際税務・国際会計基準対応などに強みを持つ。
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