我が社は大丈夫?コンプライアンス問題

昨今、日本企業でもコンプライアンス問題が次々と報じられ、企業の組織風土やコンプライアンスの実態が問われることとなりました。

ベトナムで発生した事象においても、日本本社に大きな影響を及ぼす可能性は否定できません。しかしながら、問題が起きた企業ではコンプライアンスの取り組みをしていなかったかというとそうではなく、むしろ積極的に取り組んでいたという企業ばかりです。

実は、コンプライアンス活動を徹底している企業ほど違反が起きてしまうということがあるようです。

コンプライアンス問題は、「個人的違反」と「組織的違反」の大きく2つに分けることができます。まず、「個人的違反」とは、着服など個人が私利私欲のために犯す違反のことを指します。ベトナムにおいては、個人が「違反」と認識してない場合もあります。一方「組織的違反」とは、組織の目先の利益をあげるための不正処理やトラブル隠しなどを指します。

「リーダーの意識」と「組織風土」の改善を

多くの組織は、コンプライアンス活動として「マニュアルや規則」で統制するといった取り組みをします。しかしながら、この取り組みだけではベトナムでは不十分です。私たちは、組織の中でプロジェクトを承認するか否かなど、ものごとを判断する際に「これは自社にとってプラスになるかどうか」という「事柄」面と「そのプロジェクトは誰が推しているのか」という「人的要素」の両方を考慮して意思決定します。

この「人的要素」を極端に重視する傾向が強い組織が組織的違反を起こしやすいということが研究で分かっています。そのため、コンプライアンス活動促進は、「日本人・ベトナム人リーダーの意識」と「組織風土」の改善がポイントになります。

様々な不祥事が相次ぎ、コンプライアンスの取り組みを再考している組織が増えているようです。是非、強い意志を持ちコンプライアンス体制の確立に取り組んでみてください。

 

荒澤 文寛 Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国の責任者を経て、
ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
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