ハラスメントを冷静に受け止める

多くの企業・組織で管理職を対象にしたハラスメント研修が行われています。しかし、ハラスメントは発信者だけの問題ではなく、受信者側にも考えるべきポイントがあるかもしれません。

ハラスメントは、発信者の意図・行動と受信者の受け止め方のズレから起こります。オフィスでは、自らの言動に注意を払うことは当然のことですが、受け止め方にも着目しなければなりません。近年の調査から、「ストレスコントロール」を苦手とし、「楽観性」が低い社員を多く見受けることがあります。思い通りにならないことがあっても、自らその問題を解決しようとせずメンタルダウンしてしまったり、「理不尽・不条理・不合理」だと自分が感じると、過剰な反応を示したりします。会社や職場がよりよく発展していくためには、視野狭窄にならないよう自己成長のための最良の選択をする思考の啓発が必要です。

しなやかな思考力を身に着けること

上司や同僚からの厳しい発言に対して、間違った受け止め方をしてしまう時の問題が大きく2つあります。1つは、指摘を受け入れられない心理的メカニズム、叱られたときに過度の自責や言い訳、抵抗・反発を引き起こす防衛機制です。セルフエスティームが非常に下がっていて、起こる現象に対して、否定的になり防衛的な行動をしてしまうことです。何かの不安から、自分が能力がない、好まれてない、重要だと思われないと感じ、反抗してしまいます。

そして、もう1つは、物事の受け止め方の思考プロセスです。人間は、もともとネガティブに考えてしまう生き物といわれ、少しでも自分にとって都合の悪いことが起こるとネガティブに考え、反抗をしてしまう思考プロセスがあります。ポジティブ心理学の領域では、思考の柔軟性の訓練を重要視し、同じ事象において、ネガティブにもポジティブにも考える訓練をします。

駐在中は反射的に防衛している自分がいるかもしれないですね。少し立ち止まって、考えてみましょう。

荒澤 文寛 Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国の責任者を経て、
ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
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