人間らしく充実した
生活を送るには?

一般的に「成功している人は、睡眠時間を削って働いている」と言われています。皆さんは如何でしょうか? 心理学者のハフィントン氏は、科学的な実験を元にこれを否定しました。

◇睡眠不足では、まっとうな判断ができない

◇仕事ばかりしていると、本当に自分がしたいことを考えられない

◇人生と仕事に遊びの要素を取り入れると生産性があがる

つまり、たくさん働く人が成功するのではなく、人間らしく人生を充実させることが成功に繋がるという見解です。しかし、科学的データを示されてもなかなか仕事のパターンは変えられないもの。

30年間大人の学習や行動とマインドの変容を研究しているハーバード大学のロバート・ケーガン博士は、自書の中でこのような研究を紹介しています。生命の危険にさらされるような生活習慣病の改善を専門医から警告された時、実際に自分を変えられる人はなんと、7人に1人(たった15%)。この結果から、「生活習慣を変えられないのは意思が弱いから」ということでは片づけられないと博士は綴っています。

固定概念の払拭と
裏目標の分析が要

また、博士は以下の4つの観点で状況を整理することを勧めています。

①改善目標②阻害行動③裏の目標④強固な固定概念

睡眠不足を改善するのなら、例えば次のように整理してみましょう。

①改善目標:睡眠時間を増やす

②阻害行動:仕事と勉強と友人と会う時間を減らせない

③裏の目標:忙しくしている自分を褒めたい

④強固な固定概念:忙しい人こそ頑張っている

大事なのは、④の変革。強固な固定概念が邪魔をして変わりたくても変われないという状況は多くの人に共通するものです。目標に向かって一生懸命頑張ることも大事ですが、その裏にある裏の目標と固定概念の存在に気付くことが、成長するための第一歩だというですね。

荒澤 文寛 Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国の責任者を経て、
ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
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