経験を振り返り次に生かす方法

日々、私たちは学習しています。ビジネスパーソンにとって必要なスキルを身に着けるためには、活動体験を通して学ぶ「経験学習」という方法が最も適しています。今回、この「経験学習」についてご紹介したいと思います。

先日「経験学習」の基本を学ぶ機会がありました。これは、組織行動学者のデービッド・コルブが経験からの学びを体系化したものです。「経験学習モデル」は以下のようになります。

①経験:具体的な経験をする

②省察:何が起こったか多様な視点で振り返る

③概念化:他でも応用できるように概念化する

④試行:新しい場面で実際に試してみる

このプロセスを繰り返すことで、日常の仕事の経験体験から学びが得られるというものです。

「経験学習」には個人差がある

人によって「経験学習」のサイクルの中で得手不得手が違います。例えば、私は最初の「経験」がとても得意です。何かを“まずやってみる”、“飛び込んでみる”ということが好きな一方で、「省察」があまり得意ではありません。起こったことを丁寧に振り返るのではなく、ざっくり上手くいったことと、上手くいかなかったことを振り返るので、次の「概念化」が浅くなります。せっかちな性格ということもあり、「省察」をする時間を充分に取らず、結論付けたら思考終了状態といった具合です。そして早く、次の実践をしたくてたまらなくなるのです。

しかし、「省察」が得意な部下がいます。何が起こったのかを事細かに記述し、自分の行動だけでなく、周りで起こったことの客観的な面まで記します。自分の感情の変化までも記述します。ただ、「省察」したことに満足してしまうタイプです。概念化は苦手で、時間をかけた割には次のアクションに活かされません。

このように、同じ学習サイクル内でも、人によって躓くポイントが違います。ビジネスで成功し、成長するためには、組織・人として「体験学習」の繰り返しが重要です。

 

荒澤 文寛 Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国の責任者を経て、
ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
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