SK人事部 採用・教育虎の巻 其の百十ニ

日本人の現地採用に限った話ではありませんが、求人では全体的に若い方のほうが需要があります。技術系以外の分野では特に顕著です。未経験でも応募できる求人なら、必然的に若手の採用がメインとなってきます。

社内の年齢事情や育成を前提とした採用といった観点から、若手の採用が好まれるのです。

今回は多くの企業で課題となっている「若手の現地採用の定着」について、注意しておくべきことをお伝えします。

若手が入社しても
定着しにくい背景

すでにベトナムで働いている30代前後の日本人転職者の履歴書を見ていると、3年前後で退職している方が目立ちます。これについては次のような理由が挙げられます。
①海外就職をキャリアアップではなく、一時的な経験の一つと捉えている
②日本での再就職を前提とする年齢的な問題
③現地採用として与えられる仕事の範囲の限界。昇進、昇給が見込めない
④現在の会社での仕事が合わない

④は短期での離職は次の転職で不利になりやすいため、「すぐに辞めたいのが本音だが、1~2年は辞められない」事情から、”最低年数“をクリア次第、転職するケースです。最近では「石の上にも3年」理論が緩くなっているものの、短期離職を理由に採用を見送る企業は多いのが実情です。

“転職を前提”も
人事戦略の一つ

殆どの企業は、採用した人材に長く働いてほしいものです。戦力になるまでの費用や手間を考えると、日本人であれば尚更でしょう。

しかし育成を前提に若手を採用したとしても、残念ながら現状では若手の定着率は高くありません。少なくとも5年、10年先での昇進、昇給といった具体的なビジョンが描けない環境では、長期定着を図るのは難しいと言えます。

社内事情により、昇給や昇進の考慮が難しい企業もあるでしょう。その場合は、「数年で入れ替わるもの」と割り切った上で採用活動を行うのも、人事戦略の上で必要ではないでしょうか。

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稲田 琢磨 Inada Takuma

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