かつて日本では「会社で働く=永く(定年まで)その会社に所属する」ことを前提に、学生は就職活動をし、企業は採用を行っていました。
 
企業は、採用した社員の能力をどのように活用するかを意識することでパフォーマンスを上げてきました。
 
しかし、現在はその前提は崩れ、人材の流動性は高くなっています。働く目的や価値観は、多様性を増しています。
 
したがって日本に限らず、各企業は、自社を選んでもらい、この会社で働き、能力を発揮し続けてもらうための努力がより求められています。

アイデア出しは
職場の相互信頼から

企業がイノベーションを起こすには豊富なアイデアが必要です。アイデアを出す中心にいるのは人材です。人材が豊富なアイデアを生み出すには、2つの観点が重要です。
 
1つ目は、各個人のポジティブ感情。2つ目は、心理的な安全を実感できる職場の関係性です。
 
ポジティブ感情が人間の創造性を高める効果があることは、すでに認められています。職場ではお互いを尊重し、信頼関係を高める努力により心理的な安全を実感できると、アイデアや考えを躊躇なく出せるのです。

未経験、未体験と
向き合う

断絶の時代、VUCA(先行きが不透明で、将来の予測が難しいこと)時代と言われ、人類は経験したことのない変化に向きあい、乗り越えていくことを迫られています。
 
企業においても、過去の成功体験に固執せず、持続的に発展し、時代に合った価値を生み出し続ける必要があります。
 
断絶を超えた世界では、社会で求められる価値や選択基準も変化し、企業に求められる組織能力も変化します。企業は、あいまいな環境下でも新たなビジョンを構築する力、そのビジョン実現に向けて課題を構想し、新たな価値を生み出していくイノベーション力、変化を好むカルチャーなどが求められます。
 
エンゲージメントとは、組織が目指すものと個人が目指すものとの重なりが、組織・個人間で見出されており、組織と個人に強い繋がりができている状態なのです。
 
新たな働き方・価値観を創り上げていき、双方が幸せになる関係を作る。次回以降、エンゲージメントについて、更にお伝えしていきます。

知識 大輔 Chishiki Daisuke
日本で営業責任者を務めた後、BConChinaで5年間、董事長総経理を経験。2020年8月から董事長兼BConベトナムゼネラルダイレクター就任。
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