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ベトナムでヒットしている日本の8商品をご紹介!
なぜ売れたのか?
どんな理由があるのか?
あなたの会社でも必ず参考になる、日系企業の独自の戦略をリサーチした。

 

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2015年度は売上が前年比130%、2016年度は同125%と着実に成長を続けるパナソニックベトナムのヘアドライヤー。「ナノケアヘアドライヤー」など上位機種が人気だ。

働く女性の意識が変化

16ナノケアヘアドライヤーのポスター

アジア地域全体で「Panasonic Beauty」ブランドを広げつつあるパナソニック。ターゲット顧客は「働く女性」であり、理美容家電の中核商品はヘアドライヤーだ。しかし、ベトナムではバイク文化が思わぬ障害となった。

バイク通勤でヘルメットを使用するため、通勤前のヘアスタイリングという習慣が生まれにくく、排気ガスなどで「どうせ汚れてしまう」という思いもある。加えて、通勤時に「人に見られる」という意識が働きにくいので、働く女性の「自分をより美しくみせたい」という感情がなかなか醸成されないと、パナソニックベトナムでは分析している。

「ただ、スマートフォンの普及や、海外のファッショントレンドに簡単にアクセスできるようになったことから、ベトナムの女性の美しさに対する行動が、確実に変わってきています」(パナソニックベトナム:以下同)

こうした市場の変化に合わせたブランドの認知拡大と実体験による効果の実感を狙って、ショッピングモールなどでのロードショウ活動(体験イベント)やSNSでの話題拡散を展開。商品認知が広がり、従来の「髪を乾かす」とは異なる、「ヘアケア」に共感する顧客層がじわじわと増加しているという。

このような活動が奏功し、2015年度は台数ベースで前年比120%、金額ベースで同130%。2016年度は台数ベースで前年比115%、金額ベースで同125%と、堅調に推移している。

新しいニーズが到来

17ナノケアヘアドライヤーとモデル

女性のライフスタイルの変化に伴い、「ヘアケア」や「速乾」のニーズが拡大。安価、小型、低出力がベトナムの定番商品だが、同社では高出力のラインナップ、ナノイーやマイナスイオン搭載のハイエンド商品も充実。家電市場の大きな競合である韓国ブランドにはほとんどないカテゴリーだ。上位機種では価格が低価格商品の10倍ほどになる商品もあるが、「デザインが良く、色が美しい」、「髪がつるつるになって指通りがスムーズ」などユーザーの評価は上々だ。

「他のアジア市場のヘアドライヤーは速乾重視、ヘアケア重視、スタイリング重視と、ニーズの細分化の傾向が見られます。ベトナムでもこのようなトレンドが来るという前提で、さらに商品バリエーションを拡大する計画です」

また、ベトナム在住の日本人の女性には日本の商品を知る人も多いので、今後は日系ヘアサロンでの販売も広げる予定だ。同社には「2020年にベトナム№.1の家電メーカーになる」という中期目標があり、ビューティー商品を含めた各商品カテゴリーで、付加価値マーケティングを強化していく。