人材紹介会社に直撃! 「ベトナム人採用」の真実
ベトナム人22~23歳の仕事観、責任感がキーワード?
同社が運営する日本語人材専門の求人サイト、ステップアップ。以前はFacebookを使っていたが、本格的なサイトを最近オープンした。登録者は22~23歳のベトナム人が一番多く、その傾向を探るうち、彼らの仕事観が見えてきた。
若者に好まれるのは定時退社とスキルアップ
ステップアップの登録者で多いのはN3~N4の取得者だが、企業が求めるのはN2~N3が多いという。
N1は優秀だが給与が高く、N4では実務を頼めないという判断があるようだ。また、最近では日本語を話せるだけでは要件を満たせず、資格の保有者がベストだが、経理やデザインなどの経験が2年あるなど、プラスのスキルが求められている。
「日本語でのメールのやり取りが必須という企業もあります。日本語を話せても読み書きのできる人材が少ないからでしょう」
求職者に人気があるのは定時できちんと終わる仕事で、多いのは事務職。また、日本語の通訳者も希望者が多いという。
ただ、ポジションがマネジャー層になると途端に企業とのマッチングが減るようだ。その理由には企業の面接官の理想とのギャップがあるようで、同社では企業の求める人物像を十分にヒアリングし、自社での一次面接で応募者を厳選しているという。
「人気の求人では、例えば、月給1000USDの管理職よりも500USDのスタッフ職に応募が集まる傾向があります。また、勤務時間内での日本語の勉強会などを推奨している企業は人気が高いですね。こうしたことを考慮すると、給与額ではなく、仕事の内容と将来へのスキルアップに比重を置く応募者が多いようです」
大きな責任を負うのを嫌う傾向も
同社の登録者には高卒で働く人や大学生、大学を卒業したばかりの若者も多い。そのため、アルバイトの紹介もしているが、こちらはすぐに決まるという。
日本料理店で、明後日のオープンなのにホールスタッフが足りず、急遽求人を依頼されたことがあった。Facebookで募集すると早速何人かの若者から応募があり、翌日に4人の採用が決まって、開店に間に合ったという。これは「大きな責任を伴わない仕事」だからだと吉田氏は考える。
「そもそも責任感のある人材は転職をあまりしないので、企業は自社での育成を意識して、素養のある人材を採用するほうが近道かもしれません」
ほとんど見つからないブリッジSE
また、日系企業のニーズが最も多いのはIT系企業からのプログラマ。ただ、同社は開発会社をグループ内に持つが、自社での採用すら難しいという。
理由は登録者が少ないためで、日本語のできるブリッジSEとなるとほとんど見つからないようだ。
「できるだけ求人企業のニーズに合った人材の獲得を中心に活動しています。日本語が話せて、スキルアップを望む人材は増えていますし、企業側からも求められています」
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