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Yベトナムの小野瀬です。第10回の対談は、税務担当パートナーのRobertさんです。

小野瀬 以前も税務調査をテーマにしましたが、最近ではさらにその件数が増えています。実際の税務調査ではどのように対応をすればよいでしょうか。

Robert まず、当局から税務調査の通知が来た場合、期日の延期を申し出ることが可能です。認められないこともありますが、チーフアカウンタントが出産休暇に入っているなどの場合に認められるケースもあります。税務調査が入った場合は、対応をする時間が限られているため、懸念事項があれば外部の専門家に相談をすることをお勧めいたします。

小野瀬 自社内で対応し、うまくいかない状況になった後に初めて相談を受けることが多くありますね。チーフアカウンタントによっては、税務調査は自社内で対応が可能であり、外部の助けは必要ないと主張するケースも多いようです。その結果、対応が後手になってしまい、適切な対応ができない場合もあります。

Robert 税務調査は、依然として担当者の判断による恣意的な結論になる場合もありますが、税務総局や財務省へ議論を進めることにより、より合理的な判断が下される場合も多くあります。状況により、上位機関に訴えを検討することも必要です。

最近では、「State Auditor」と呼ばれる、首相直轄の組織による税務調査も増えてきています。これは地方の税務当局の調査が適切に実施されているかどうかを確認するために、各企業に対して直接税務調査をするものです。税務調査が済んだ過去の年度についても、再度調査がなされることがありますので、留意が必要です。

小野瀬 貴久
Onose Takahisa
Ernst & Young Vietnamのホーチミン事務所に勤務する日本国公認会計士。大手監査法人にて監査や株式公開業務に従事後、2006年からEYジャカルタ事務所、2011年よりEYベトナム・ホーチミン事務所に勤務。
ウェブサイト: www.ey.com