本では馴染みのある個人情報保護制度は、ベトナムではどうなっているのでしょうか。2016 年7 月1 日から施行されたサイバー情報保護法、2017 年1 月1日施行予定の改正民法などの新しい規定をご紹介します。

まず改正民法では、現行民法とほぼ同様に、①個人の私的生活、秘密、家族の秘密の不可侵・法令による保護、②個人情報の収集、保有、使用、公開への本人の同意の必要性、③個人情報の交換の安全と秘密の保証、が規定され、さらに④契約の締結、履行で得られた個人情報の漏えい禁止、が追加されていますが、具体的な規制や罰則の規定はありません。

サイバー情報保護法は、コンピューターネットワーク上の個人情報を取り扱う組織・個人に対して、以下を義務付けました。

①収集・保管する個人情報の保護のための適切な管理・技術的対応、サイバー情報保護のための技術基準・規制のクリア。

②収集・利用の前に、利用の範囲と目的を示して情報所有者の同意を得ること。情報所有者の同意または権限ある国家機関の要求なく、収集した個人情報を第三者に提供・共有・流布しないこと。

また、国家の責務として、①サイバースペース上の個人情報に関する不服申立て・報告のためのオンライン情報チャンネルの設置、②個人情報を取り扱う組織・個人に対する、毎年の定期検査及び必要に応じた臨時検査、を規定しました。罰則規定はこれから政令で定められる見込みです。

このほかIT 法や消費者保護法などにも個人情報保護規定があり、それぞれ違反行為に対する罰則があります。ベトナムの個人情報保護制度はようやく形を整えたところで、今後の効果が注目されます。

小幡 葉子
Obata Yoko
TMI総合法律事務所ハノイオフィス勤務。日本国弁護士・ベトナム外国弁護士。1992年より雨宮眞也法律事務所にて企業法務を担当、JICAベトナム法整備支援長期専門家などを経て、2013年4月より現職。
www.tmi.gr.jp