トナムにおける公務員の生活や行動の規律には、どのようなものがあるのでしょうか。

日本でも、公務員に対する一般的な規制として、国家公務員法、地方公務員法、国家公務員倫理規程、各地方の職員倫理規程等に定めがあり、例えば職務専念義務、営利企業等の従事制限、収賄禁止等があります。

他方で、ベトナムにおいても一般的な規制として、幹部・公務員法、汚職防止法、節約実行浪費防止法等に規定があり、それぞれ、幹部・公務員の選出・採用・管理等、汚職行為の防止等、労働時間の管理等について規定しています。

さらに、ホーチミン市人民委員会及びハノイ人民委員会は、市における各行政機関の公務員に対する行為規範を発布しました。

当初は、タトゥーを入れてはならない、不適切な香水をつけてはならない、といったかなり細かい規定がドラフトされ、発布時には削除されましたが、それでも昼休みを含めた勤務時間中の飲酒及び職場での喫煙が一切禁止され、また、ギャンブルも行ってはならない等、公務員の勤務態度や生活態度の内容を定めています。違反者当人だけでなく、所属する機関のトップも処分を受けるということです。

日本では、公務員についてここまで細かく規定している法令はないのではないでしょうか。

公務員に対する国民の信頼を一層高めるための方法のようですが、その結果はこれから明らかになります。

小林 亮
Kobayashi Ryo
TMI総合法律事務所ホーチミンオフィスに勤務する、日本国及びベトナム外国弁護士。東京オフィスにて多数の東南アジア案件を担当後、2014年3月よりホーチミンオフィス駐在。
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