回より3回にわたり、外国契約者税(以下FCT)の基礎ついて解説いたします。

FCTとは、外国の組織や個人といった「外国契約者」がベトナムの組織や個人といった「ベトナム契約者」と締結した契約に基づき、ベトナム国内における事業から稼得した所得や付加価値に対して課せられる税金で、CIT(法人所得税)部分とVAT(付加価値税)部分から構成されます。

FCTは徴税技術上の問題から、ベトナム契約者が源泉徴収により申告・納税する直接法が通常で、この場合、海外送金から10日以内の申告・納税が必要です(通達156/2013/TT-BTC第10条3項d)。納税義務までの期間が短いため、申告漏れや計算誤りが生じやすい性質があります。直接法を採用する場合、みなし付加価値税率とみなし法人税率の2つの税目を適用します。これについてはFCT課税対象とともに、次回詳細に解説いたします。

なお、ベトナム会計基準に従った帳簿の作成など一定の条件を満たす場合、外国契約者が自らFCTを納税することができます。この方法には以下の2種類があります。①控除法:CIT、VATともにベトナム会計基準に従う方法。②ハイブリッド法:CITはみなし法人税率を使用し、VATはベトナム会計基準に従う方法。

ハイブリッド法は、例えばODAによる建設プロジェクトにおいて採用されています。詳細は専門家にご相談することをお勧めいたしますが、売上VATから仕入VATを控除することができるため、税額を低く抑えられる可能性があるといったメリットがあります。

最後に、FCTは国際的二重課税排除のため、外国契約者は自国の確定申告時に一定の条件のもと、外国税額控除を適用することができます。

吉田 俊也
Yoshida Shunya
AGSホーチミン事務所に勤務する日本国公認会計士。日本の大手メーカーでの経理を経て2014年より現職。原価計算システム構築、連結決算、国際会計基準対応などに強みを持つ。
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