号から寄稿させていただくことになりましたAGSの辻と申します。今回はベトナムで働かれている皆様と関係の深い、個人所得税についてお伝えできればと思います。

個人所得税とは、その名の通り個人所得に掛かる税金です。この個人所得税についてよくいただく質問の一つに、「自分の所得のうち、どこまでの範囲をベトナムで申告すればよいのか」があります。確かに、ベトナムでの給与だけでよいのか、または日本の給与も合算して申告するべきなのか、海外経験の少ない方にとっては難しい判断だと思います。

しかし、この判断の基準は意外とシンプルで、ベトナムの個人所得税法上「居住者」に当たるか、「非居住者」に当たるのかです。ベトナムの居住者であれば世界中で発生している全ての所得を申告し、非居住者であればベトナムで発生した所得だけを申告する。ただそれだけのことですので、実に簡単ですね。

ただ、居住者と非居住者は一体どのようにして判定されるのか、という疑問が浮かんでくるかと思います。そこで、3つのベトナム居住者の要件を見てみましょう。①初入国から1年間、もしくは暦年の中でベトナムに183日以上滞在すること、②183日以上の賃貸契約を結んでいること、③一時滞在許可証の発行を受けていること(通達111/2013/TT-BTC)。つまり、上記のいずれか一つでも該当すれば居住者と認定され、逆に、上記のいずれも該当しなければベトナムでは非居住者ということです。

ベトナム国内での源泉所得の判定や短期滞在者免税制度など、その他留意すべき点もありますが、これらについては次回以降にご案内いたします。

辻 雄太
Tsuji Yuta
AGSホーチミン事務所に勤務する米国公認会計士。日本の大手メーカーでの勤務を経て2015年より現職。国際税務・国際会計基準対応などに強みを持つ。
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