畜産規制違反に対する新政令が4月に施行

ベトナムでは郊外に行くと鶏や牛が道路脇を歩いているのをよく見かけます。一方、市街地ではペット文化が広がり、犬と散歩する人や飼い主が自分のバイクに犬を乗せて走る光景を見かける機会が増えました。同時に、動物虐待も問題となり、SNSで虐待動画が拡散されたり、動物愛護団体が動物を保護したりするニュースも目にします。

このような社会的背景を受け、畜産規制違反に対する行政処分に関する政令が2022年4月から施行されます。

行政処罰のほか、事業停止処分も

飼育動物を残虐に殴打し、拷問する行為をした場合、100万~300万VNDの行政罰金を科されるという規定が今回新たに設けられました。また、衛生規則を遵守している屠畜施設を保有していない場合、屠殺前に動物を殴打した場合、屠殺前に動物を気絶させる措置を講じなかった場合は、300万~500万VNDの行政罰金が科されます。

屠殺前に陸生動物の体内に異物を混入した場合、水やその他の物質を強制的に注入した場合なども最大5000万VNDの行政罰金が科されるとともに、1~6ヶ月の事業停止処分を科される可能性があります。

このように、ベトナム社会でも動物愛護に関する法整備が少しずつ進められ、人々の意識も変化しつつあります。

 

小林 亮 Kobayashi Ryo

日本国/ニューヨーク州弁護士・ベトナム外国弁護士。2014年4月よりホーチミン市オフィス駐在。1年のアメリカ留学を経て、2019年9月に復帰。2022年パートナー就任。

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