【ベトナム】日系ヒット8商品!
販売増の秘密
ベトナムでヒットしている日本の8商品をご紹介!
なぜ売れたのか?
どんな理由があるのか?
あなたの会社でも必ず参考になる、日系企業の独自の戦略をリサーチした。
2012年に発売以降、販売本数は毎年200%以上アップし、2015年から2016年も約220%と成長を遂げている「ポカリスエット」。理由は体感型サンプリング、販路拡大、価格改定だ。。
試飲会とネットでPR活動
発汗で失われた水分や電解質を素早く補給するアイソトニック飲料。ベトナムでも市場が形成されつつあるが、先鞭を付けたのが大塚製薬の合弁会社である大塚タン ニュートリションの「ポカリスエット」だ。自社製品を海外展開する場合は、相手国の嗜好や習慣に合わせる場合も多いが、ポカリスエットの味や成分は全世界共通となっている。
「ポカリスエットは『飲む点滴』をコンセプトにしています。どこの国でも人の体は変わらないので、品質も変える必要がないのです」(大塚タン ニュートリション:以下同)
メインターゲットは35歳以下の男女で、特に健康を気にしている人。吸収が早くスポーツや日常の水分補給に適していること、また下痢や発熱時にも効果的であることが認知されたことに加え、売れている理由は他にもあるという。保存料や着色料、人口甘味料を使っていない品質の部分と、日本の製薬会社の製品であることも人気の理由だそうだ。
販売戦略は主に2つの方法で進めている。まず大切なのはサンプリング(試飲会)で、1年で約100万本を提供している。製品に自信があるので、まずは試してもらうのが大事という考えだ。ポカリスエットを体感してもらえる場所で、消費者一人一人に、地道に商品の良さを伝え続けている。
もうひとつの手法は商品の認知度と理解度アップで、主たるツールはインターネットだ。Facebook、Youtube、Webサイトなどで、テレビCMには積極的ではない。製品のことをできるだけ理解してもらいたいためで、自ら「見つけて、調べてもらう」必要があると考えるからだ。興味、学習、試飲、購入とつなげたいという。
近代流通でシェア1位
アイソトニック飲料はここ数年で外資系やローカル企業が多く参入しており、商品数も増えている。同社も販売本数で毎年2倍以上の伸びを続けてきたが、一昨年から大きく戦略を変えた。ひとつは価格を下げたこと。500㎖のボトルが市場価格で1万7000~1万8000VNDだったのを、1万1000~1万3000VNDにした。競合の同サイズの商品が8000VND前後なので、価格差が縮まって競争力が出た。そして、サンプリングの回数を大幅に増やし、従来の流通システムを変えて販路を拡大した。
「その結果、2015年から2016年にかけては220%と上昇しました。スーパーやコンビニなどの近代流通のアイソトニック飲料のシェアでは、1位か2位だと思います」
現在の主な市場はホーチミン市とハノイのスーパーやコンビニと、ローカルストアに薬店、スポーツ施設など。今後は地方にもどんどん販路を広げ、将来的には大塚製薬の他の製品も販売していく計画だ。
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