回のテーマは組織のパフォーマンスを上げるために必要な、科学的にも実証されているリーダーシップについてご紹介します。早速ですが、パフォーマンスを向上させるために、リーダーやマネジャーが持つ「影響力」、「情報量」、「ポジティブ・エネルギー」の3つのうち、どれが最も重要な因子だと思いますか? 正解は「ポジティブ・エネルギー」です。

ある調査によると「ポジティブ・エネルギー」は他の因子と比較して、何と4倍も重要ということが明らかになったそうです。この研究を行ったのは、ミシガン大学のキム・キャメロン教授です。彼はリーダーが最も注目すべきは「ポジティブ・エネルギー」であると結論付けました。

キャメロン教授の調査の中で、もう一つ興味深い結果があります。好業績の組織と低業績の組織における経営陣のコミュニケ―ションで、ポジティブ発言とネガティブ発言の割合を調べたところ、以下のような結果が出ました。ここでいうポジティブ発言とは、支援的だったり、お互いを認め合うような言葉掛けのことで、ネガティブ発言とは批判的・拒絶的な声掛けを指します。

好業績組織は、ポジティブ発言5.6:ネガティブ発言1。

低業績組織は、ポジティブ発言0.36:ネガティブ発言1。

皆さんの会社や職場で、ポジティブ発言とネガティブ発言の割合はいかがですか。組織のパフォーマンスと上司のポジティブな態度の間には、明らかな関連性があるのだそうです。

今月号がSKETCHPROの最終号となります。今後は週刊SKにコンテンツが移管され、私も引き続きSKで、月一回程度のペースで寄稿させていただく予定です。次回はSKの誌面でお会いしましょう。

荒澤 文寛
Arasawa Fumihiro
Business Consultants Vietnam Co., Ltd. General Director。東京の芝学園教諭を経てアメリカ留学。その後、株式会社ビジネスコンサルタント入社。サンフランシスコ、東京、熊本の責任者を経て、ベトナム法人を立ち上げて現職。