んにちは、AGSの辻です。今回は公式インボイスの修正方法についてご案内します。公式インボイスの修正方法は、修正事項や修正時期によって変わりますので、以下でそれぞれ場合分けして見てみましょう。

①公式インボイスがまだ買手に渡っていない場合:書き間違った公式インボイスに斜線を引いて、新しい公式インボイスを作成するだけで問題ありません。なお、書き間違った公式インボイスは保管しておかなければなりません。

②公式インボイスが買手に渡っているが申告が完了していない場合:書き間違った公式インボイスを売手が回収し、その理由を添えた回収記録書を残さなければなりません。売手は回収した公式インボイスに斜線を引いた上で保管し、新しい公式インボイスを発行します。

③買手に渡った公式インボイスの申告が完了している場合:修正事項を明記した、修正インボイス発行の合意書を作成した上で、売手が修正インボイスを発行します。この修正インボイスには、物品の数量や販売額、VAT率、VAT額の増減およびタックスコードを明記しなければなりませんが、この修正インボイスには負の数を使用することはできません。

売手および買手はこの修正インボイスに基づいて、税務申告を修正することになります。ただ、金額的影響がなく、タックスコードが間違っていない場合は、この修正インボイスを発行する必要はなく、修正事項の合意書のみで修正処理は完了します。

公式インボイスは会計処理、税務処理に非常に重要な証憑であり、適切な処理が求められますので、取扱いに疑問をお持ちの際は、専門家にご相談されることをお勧めします。

辻 雄太
Tsuji Yuta
AGSホーチミン事務所に勤務する米国公認会計士。日本の大手メーカーでの勤務を経て2015年より現職。国際税務・国際会計基準対応などに強みを持つ。
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